「何者」その2

続きです。




⑪「グルディス……ね。」

その日は嫌な予感がしていた拓人。グループディスカッションで理香と同じグループになってしまった。

理香「私今までで一番落ちてるのはグルディス〜」
拓人「あはは……!グルディス……ね。」

拓人いよいよ態度が露骨になってきてて草

演劇関係の企業だったことを理香に突っ込まれそうになった拓人はわざとらしく先に帰っていく。
「じゃあまた後で」
今夜は内定第一号の瑞月の祝賀会。


⑫祝賀会
「おめでとう」という言葉の裏側で、瑞月に対する理香や隆良の刺々しい言葉が拓人を苛立たせる。
不意に昼間受けたグルディスの話になってしまい、そこの会社が演劇関係の仕事だった事で焦る拓人。*1
なんやかんやで話が隆良に移ったことで難を逃れるが、隆良の「やりたくないことはやらなくてよい。やりたい事は他人が正しく評価してくれる」的な考えが「家の事情のため、やらざるをえない」瑞月をついにブチ切れさせる。

隆良(@長妻くん)、瑞月ちゃんに詰られるしポコポコされるしもう見てるこっちが「Oh……」ってなる。我に返った瑞月ちゃんが出ていったあと、隆良は平静を装いながらいつまで経っても読み終わらない本(笑)を読むんだけど、最終的にビリビリに破いて床に叩きつける(笑)


瑞月を追う拓人。
瑞月「お腹いっぱいで全然走れなかった……」
おーーーい瑞月ちゃん天使かーーーーい。

もうあの部屋に行けない……と言う瑞月に「そんなことないよ」「すごく説得力あったから、誰も、怒ったりとかはしてないと思う!」とか一所懸命励ますんだけど拓人くん愛しい&愛しい。

瑞月「ほんとかな……理香とか、大丈夫かな……」
拓人「……あの人はァ……、怒ってる……かもしれないけどぉ……」
瑞月「拓人くんって正直だよね。」

ほんとそれな。

瑞月は内定の電話をした時、光太郎に告白したけど玉砕したこと、その時に光太郎に忘れられない人がいること、その人を追って出版業界を目指してると聞いたことを拓人に話す。

「光太郎は自分の人生の中にドラマを見つけて、そのドラマの主人公になれるんだよ。私はもう、そうはなれないもん」

祝賀会の間中ずっと母親から電話が来ていた瑞月。タオルにスマホを包んで音が聞こえないようにしていた瑞月。現実に帰っていく瑞月。拓人の表情がほんとに辛そう。


拓人って未だに瑞月が光太郎のこと好きな事にも気付いちゃうんだけど、結局告ったりとかはしないんだよね(見てるこっちにはモロバレだけど)。
瑞月が悩んでる時も拓人ってなんて声かければいいかわかんなくて、伸ばしかけた手を引っ込めるし、見てるこっちは「行けーーー!!そこで抱きしめたれーー!!男を見せんかいーーー!!」ってなるんだけど、まァ、全然抱きしめない(笑)。行動しないのが拓人らしいなって。ほんとに好きだから、フラれたときに心折れないように自己防衛で踏み込まないようにしてる感……。



⑬インスタグラマー隆良
ハットにカメラ持って横須賀までポピー見に行くとかヤバイ。「インスタグラマーかよ」とか思ってたら

「いい写真が撮れたので後でまとめてインスタグラムにアップします。ハッシュタグ、一日一写真(ドヤ)」

ってツイートしてたから隆良はインスタグラマー。



⑭光太郎の内定祝い
拓人のバイト先で光太郎の内定祝い。サワ先輩もいるよ!

帰り道、酔い潰れた光太郎を雑に介抱する拓人(笑)。
「もぉ〜〜……。こーたろ!」とか言って雑に引っ張ってるwwww

光太郎、普段はウェイ(とは)だし、明るいのに、就活が終わったからといって「自分は「何者」にもなれた気がしない」と不安を吐き出す。

嫌味じゃなく、本心から「俺なんで拓人に内定出ないのかわかんねぇんだよなぁ……」と言う光太郎。

通りかかった隆良に光太郎を押し付け、明日の受験票を印刷しに理香の元を訪れる拓人。

空は暗く、雷が鳴り始める(こわい)。


⑮修羅場
突然現れた拓人に露骨に驚く理香。なんだかここのシーンの理香は最初から表情とかが暗いんだけどなんでなんだろう……?


「光太郎くん内定決まったんだね。どこ?」
「あー、総文書院、って知ってる?」
「あぁ……中堅の出版社か。どうなんだろ。私の耳にはいい評判入ってこないな。」

↑ここで拓人はPCカタカタしてた指を止めて理香(拓人に背中向けてる)のこと一瞬睨むんだよ……「また始まったよコイツ……」みたいな顔で理香のこと面倒くさそうに一瞬見るの……顕嵐くんのこの氷の女王みたいな顔、大好き〜だよ……(This is LoveSongのメロディで)




「……拓人くんさぁ、あのグルディス、受かった?」

「……落ちた。」

「私も落ちた。ほんと、なァんでこんな落ちるんだろう!」

ここで拓人が一瞬理香の方を見て、ニヤッてバカにしたような笑いするんですよ!!!!!!!!!!!!!(机バンバンしながら)
これ、Twitterにも書いたけど、拓人って、多分理香のことを一番バカにしてたと思う。


PCの検索履歴から「理香が瑞月の内定先をブラック企業か調べていた」ことを知る拓人。

拓人のスマホを開いて「拓人が光太郎の内定先をブラック企業か調べていた」ことを知る理香。

ものすごい轟音で鳴り響く雷(笑)。あーあー、修羅場不可避。超こえぇ〜……。



⑯本当の修羅場
お互いに友達の内定先を探った事を非難し合う拓人と瑞月。
「……私、拓人くんに内定でない理由わかるよォ?」
「そんなだからさァ……就活2年目になっても内定ゼロなんだよォ」

ここで拓人が就活浪人の5年生であることがネタばらし。
だいぶ劣勢なのに頑張って「理香さんだって俺と同じだろ!」って反論する拓人……この流れ……アカン……(察し)



理香さん、アンタの裏アカ知ってるんやで……\ピカッ!ドゴーーーーン!!/←雷



理香「私ずぅーーっと読んでたよ?アンタのもう一つのTwitterアカウント。」


怖すぎ無理ンゴ……(震)



拓人が劇中で言う独白のほとんどは、裏アカウントに書かれた拓人の本心(?)だったというオチ。ネタばらしの度に鳴り響く雷がサスペンス劇場すぎて「相棒」だったらどっちか死んでそう……\(^o^)/



自分の裏アカウントのツイートを読み上げられて逃げ惑う拓人と笑いながら責める理香(最高に怖い)。
「違う!!!!!!」「違わないッ!!!!!!」って怒鳴り合うところ、怒鳴ってる顕嵐くん見るのがほぼ初めてだから新鮮……ってのもあったんだけどやっぱり美山加恋ちゃんの食い気味の「違わないッ!!!!」がすごい。男の怒鳴り声なんかよりよっぽど怖い(笑)。

「自分は自分にしかなれない」と諭す理香。拓人の裏アカウントの名前は「何者」だった。

もうここの修羅場は名言というか思わずモノマネしてしまうくらい心に残ったっていうか、トラウマになったというか……
個人的に理香の「だから私はインターンも海外ボランティアもアピールするし!!キャリアセンターにだって通うし!!自分の名刺だって配る!!かっこ悪い姿のまま、ガムシャラに足掻き続ける!!」みたいなセリフがほんとに理香が全てを吐き出してて、拓人は呆然としていて、精神的にどっと疲れるから好きです。ドMかよ。



そしてここからみんなのトラウマ、コンテンポラリーダンスへ……



⑰壊れる拓人
今まで観てきた舞台、なんやかんやで全部ハッピーエンドで終わってたから、演じてる方も観てる方もこんなに心えぐられる辛い舞台は初めてで、ショッキングだった。これは、疲れる。
本当に顕嵐くん死んじゃうんじゃないかと思ってしまった。笑いながら叫ぶし、走るし、人格壊れた人みたいで本当に怖かったし、フラフラになりながら落ちていって、フラフラになりながら面接のパイプ椅子のところに這い上がるの。不気味すぎて怖い。
発狂して、理香と隆良のことを書いた自分のツイート読み上げながら2人を蹂躙していく拓人のダンスパート、隆良と理香を球体関節人形みたいにして雑に扱ってる感じ。ダンスをエスコートするのかと思いきや笑いながら隆良を突き飛ばす、みたいな。狂ってる感じでほんと怖い。

理香に対しても人形を操るような動きをするんだけど、ひたすら人形折り曲げて遊んでるみたい(しかも笑いながらやるから尚更怖い)。理香の背中~腰~お尻にかけてなぞるような動きをするんだけど、そこの拓人の顔が妖艶で、序盤の幼稚な可愛さの欠片もなくて見る度に「ぅわぁ……」ってなる。あそこの顔見ることに命賭けてたよワシは……。


でも序盤はあんなに見えなかった拓人の本当の人物像が、ビリビリのエントリーシートが天井からドサッと降ってきて叫びながら荒れ狂ってる時に出てきて、汚くて、ずるくて、痛々しくて、泣きたくなった。


拓人って、一見光太郎のこととか裏アカでボロクソに書いてそうなのに結構光太郎のこと認めてるというか、友達として、人間として信用してる節があるよね。光太郎だから瑞月が光太郎を好きなのも納得してるし、「光太郎だから」「これをしても許される」みたいな価値観が拓人にはあって、光太郎や瑞月みたいに認めてる人には絶対の信頼を寄せるけど、1度苦手意識を持った人の本当の人物像は推し量ってあげられないんだと思う。これがサワ先輩の「たった140文字被っただけでギンジとアイツを一瞬にするなよ」だったのかな。人間そういうもんだと思うけど、拓人の「想像力が足りない」って言葉はブーメランだったんだよね?



⑱何者
冒頭の面接シーンへ。冒頭とは違って客席の方を向いてます。顕嵐くん、直前のダンスパート(ほぼ1人で踊り狂ってる)で汗ダラダラ。いっつもここで「頑張れ……!」って泣きそうになってしまう。
自分が一番何者にもなれず、誰かが理解してくれる、なんで自分には内定が出ないんだ、って心のどっかである意味期待してた拓人が、ラストで「何者」なんかじゃなくて本当の「二宮拓人」として面接を受けたシーン、もう涙腺が決壊よ。
「……多分この面接も落ちた。だけど、落ちても、多分、大丈夫だ。」が最後のセリフなんだけど、拓人が胸を抑えながら、この感情を受け止めて、辛そうな顔して、でも晴れやかな笑顔で暗転して終わる……んだけど観てるこっちはめっちゃ泣いてるっていうね(笑)。

この希望持たせる終わり方いいなって思いました……。その5分前くらいまでトラウマダンスシーンだけど(笑)。


顕嵐くん、最後の「この面接も、多分落ちた」って言う時、目に光が無くなるんだけど、「だけど……!落ちても、多分……、大丈夫だ……!」って言う時に物凄い目に光が戻るんだ……。そこが好き。ほんと泣けてくる……。








残り1公演。頑張れ。
本当に、頑張ってるってすごくわかるよ。最後の最後まで、大切に演じて欲しいなぁ。



素敵な作品に顕嵐くんが出てくれて嬉しかった!良かった!この舞台のこと、忘れたくないなって、思った!


*1:よく考えればそんなに焦らんでも……って思うんだけどギンジとの繋がりやそこから裏アカがバレる事とか恐れて自分の話をあまりしたがらないのかな