「何者」

お久しぶりです。
Jr.祭りもクリエも、魔女宅も、キントレもユメアイもZeppも感想書いてないのにいきなり11月の何者感想に飛ぶって時の流れやばくないですか……(震)


舞台「何者」、私は11/29~12/2まで観に行きました。
初めての観劇後すぐは「これはしんどい……」と精神的にかなり疲労感がありましたが、ホテル着いてもご飯食べてももう「何者」のことしか考えられない(笑)。話自体も面白すぎたし、演出の一つ一つが衝撃的で、心にガツンと来たので、観ることができて本当に良かったなって。この舞台を観て思ったこと感じたこと、忘れたくないなぁ。
Twitterが重要なツールになっていて、度々出てきます。モニターにツイートが映し出されるのも面白かったし、それをちゃんとツイート主が読み上げるのも舞台らしい演出で好きでした。


※以下、あらすじ交えた感想になるので毎度おなじみですが、長くなります。(舞台観劇時は原作未読だったので完全に自分の推測になってる部分もあるかと思います。あと話が前後してるかも!ご了承ください。)




「<就活>があなたの心をあぶり出す」*1






◆登場人物

二宮拓人(阿部顕嵐)……主人公。光太郎の元カノ、瑞月に片思いしている。割と盲目瑞月担である(私調べ)。演劇をしていた。周りを俯瞰して見る冷静な人物。

神谷光太郎(鈴木勝大)……バンドマン。典型的大学ウェイ(ただし結構イイヤツ)。瑞月と一時期付き合っていた。拓人とルームシェアしている。

小早川理香(美山加恋)……意識高い系女子。留学やボランティアをアピールして就活にも積極的。隆良と同棲中。

宮本隆良(長妻怜央)……意識高い系男子。部屋着がやたらとオシャレ。無印良品に居そう(偏見)。理香と同棲中。

田名部瑞月(宮﨑香蓮)……素直でいい子で頑張り屋。可愛い。理香とは留学仲間元彼の光太郎の事がまだ好き。

烏丸ギンジ(ーーーー)……拓人と仲違いした演劇仲間。大学を辞めて自分の劇団を立ち上げた。

サワ先輩(小野田龍之介)……拓人が在籍していた劇団の先輩。理系の院生。面倒見がよく、拓人はサワ先輩に懐いている(カワイイ)。SNSはやらない派。












①面接
いきなり緊張感溢れる面接シーンでスタート。主人公の拓人は客席に背を向けてる状態で、面接官からの質問に萎縮してしまっている感じ。「最近ネットで買ったものはなんですか?」「……プリンターです!……そう、プリンターだ……。使いづらくなってしまったから……!!」


②自己紹介
「何者」では、それぞれの登場人物のTwitterが重要なツールになっていて、冒頭で各々Twitterのbio欄を読み上げる。「/」で区切りまくった理香の紹介文や、意識高い系インスタグラマー(わたし勝手にそう呼んでるゴメン)隆良の紹介文が後にクソディスられるのでもう自分のbio欄「/」で区切れない。トラウマになったやんけ。


③本編(理香の部屋)
主人公「二宮拓人」とその同居人の光太郎が上の階に住む理香の部屋に遊びに来る。光太郎がコミュ力おばけなのに対して拓人は少し離れてるような距離感がある。全員就活生というわけで理香の部屋を「就活対策本部」にして集まることに(実際はプリンターを使いたかっただけではwと思う)。


・ダンスパート

突然始まる歌&ダンス(笑)。
WSで流れてたダンスの映像はここだったのかな?「就活が、辛いと言われる理由は、2つ、あるように思う」のセリフから既に振りがあってちょっと面白い。おぉ……!TAKAHIROさん*2*3の振りだな〜って。歌詞は就活で偽ってる自分の苦悩とかを歌ってる感じ。サビあたりのスマホ耳に当てながら踊る顕嵐くんの足さばきが好き。光るスマホをダンスの一部として使ってて新鮮だった。(イメージ的にはドリボのクレドリ千手観音に似てる)

エントリーシート
みんなでエントリーシート書いてるシーン
顕嵐くんの男の子らしいちょい汚い字が愛しいwちなみにちゃんと「二宮拓人」「社会(学部)」って書いてました。
理香が同棲してる彼氏の隆良は、瑞月のエントリーシートを「人間ぽくない。一番簡単な方法で100点とっちゃってる感じ。」と酷評する(と言っても隆良が言いたいことはわかる)。
それにしても瑞月がボロクソに酷評されてる所に前に出てきて「隆良は?どうするの?」って助け舟出す拓人、さすが瑞月担……。

「俺は就活自体に意味を見出せない。なんで全員同じタイミングで自己分析、なんて、始めなきゃいけないんだ?」

「就活就活って人見てると、想像力ないんじゃないのかって思う。想像することを放棄してるのかなって。」

「流されるんじゃなくて、俺は俺で生きていたいから。」


静かに隆良の話を聞きながらも、かつての仲間ギンジと隆良を重ねて「想像力がない人間だ」と同一視してしまう拓人。


・ダンスパート
突然現れるHGみたいな人は、「想像力」や「自由(自己)」のメタファーなのかな……?
主に拓人(+就活組)VS隆良(+HG)みたいな構図。とりあえずカオス。でも見ちゃう。メガネをかけるのは就活が「自分ではない何者になるから」ってことを表してるのかなぁ、と思った。ちなみに隆良は元々丸眼鏡をかけてるけどそれももしや伊達メガネ(飾った自分の演出)だったりするのでは?うーん、違うか……。

理香と隆良が同棲してまだ3週間しか経っていない話を聞いてるシーン、「えっ」と驚きながらもチラリと光太郎の顔を見てる日があって、なんて言うか、あの目のやり方が拓人だったなぁ(笑)。
あと、わかんなかったんだけど同棲に至った経緯を隆良が話してる時に理香はちょっと焦った感じで「コンビニ行ってくる」ってその場を離れるの。あれは何故なんですか??


⑤サワ先輩の家
サワ先輩の家のコタツに入ってはんてん姿でエントリーシートを書く拓人(めっちゃカワイイ)
みんなの前では物静かであんまり喋らないのにサワ先輩の前ではちょっと喋り方とか幼いんだ〜〜!

サワ先輩はことある事にギンジの公演を拓人に勧める。意固地になる拓人(カワイイ)。
サワ先輩っていい先輩だよね……。拓人の面倒見いいってのもあるけど、ギンジのことも気にかけてる感じして、1度繋がった人は大事にするって感じ。サワ先輩結婚して。


⑥衝撃のドキッ生着替え
クローゼットからリクルートスーツを取り出して靴ポイって放り投げるところに何故か萌えた……。あとスーツ掛けてたハンガーを後ろにポイって放り投げてるの超カッコよかった……。
チノパンから覗くすね毛が意外と濃い長妻くんに対して脱毛サロンにでも通ってんのかと思うくらいあっさりした御御足の顕嵐くんよ……細い……腰が細い……(アーメン)。

着替えながら、ここでやっとこさ本当の拓人が出始める感じ。
「想像力が足りない人ほど、他人に想像力を求める。他の人間とは違う自分を、誰かに想像して欲しくてたまらないんだろ。」

この吐き捨てるような言い方、拓人のダークな一面が出てて、原作未読だった私は「え……あの……?さっきまでとキャラ違うくないですか……」ってなりましたwwww


この世で一番熱い言葉をかき集めて、自分の理想の姿を他人に想像して欲しがるギンジ。
だけど、そんな自分の本当の姿まで想像してくれる人間はきっといない……。



⑦面接終了後に瑞月とベンチでおしゃべり
拓人くんってほんとに瑞月ちゃんが好きだよねってわかる……。他の人が喋ってるの聞く時の拓人って結構無表情なの。笑顔がすぐ真顔に戻るし、何か、気を付けてるって感じする。でも瑞月ちゃんの話を聞く時の拓人は本当に嬉しそうなんだよなぁ……。
母親を支えるため、「ちゃんと家賃補助が出るような会社に入らなきゃダメなの!頑張らなきゃ……」と話して次の面接に向かっていく瑞月を、辛そうな顔で見送る拓人。

ところがどっこい、瑞月が居なくなった途端、足組むわ、無表情でTwitterチェックし出すわ、拓人猫かぶりすぎワロタwwwww



「瑞月さんが呟いた【頑張らなきゃ】って言葉……あれだけが!真実だと俺は思う!」

↑この心酔っぷりよ。

瑞月ちゃんいい子だけど、拓人くんはいつか変な壺とか買わされそうでおばちゃん心配だよ。

拓人くんは瑞月ちゃんの嘘がない言葉とか、素直なところが好きなんだよね多分。それにしても拓人くん奥手すぎんか!?って思うことが劇中3回はある。




⑧おや……?理香の様子が……
理香の部屋にいる拓人と光太郎。自分の名刺を作ってOB訪問を頑張る理香。ふいにTwitterのアカウントはメールアドレスで検索できる」という話になり、顔が強ばる拓人。知らなかったんかい。

光太郎の方は最近就活が順調らしい。「面接官が女の人だとオレ、笑わせたくなっちゃうんだよなぁ〜」光太郎らしいこのセリフ、こっちまでフフッてなる。光太郎が部屋から退出して2人きりになる拓人と理香。なんとなく気まずい。
「……たまに光太郎くんみたいな人っているよね。」
「……え……?」
「笑わせたいとかさぁ!そういうので面接サラッと受かっちゃうんだもーん!」

「もう3月だね。卒業シーズンか。自分が卒業するとこなんて想像つかないよね。」
「全然……想像つかないな……。」

拓人の表情は暗い。

⑨喫煙所
大学の喫煙所でタバコを吸う拓人。意地悪い笑顔でスマホを見ていると突然隆良がやってきたので動揺する。*4
「まだ誰も内定出てないんだっけ?」という隆良の言葉に思わず意地悪く「そういえば隆良も広告とか受けたりしてるんだ?コピーライターとか、そういうところ狙ってるってこと?いわゆるクリエイティブ職ってやつかぁ!」と返してしまう拓人。いや、わざとらしいわw
この辺、いろんな感情はらんでる顔してて良かったなー。隆良の表情伺いながら「何言ってやろう」とか「これはさすがに言ったらマズイか?」ってギリギリの牽制楽しんでる、みたいな。

隆良も案の定名刺持ってるんだけど、「隆良の名刺、俺にもちょうだい?」っていう時の拓人の顔見てくださいよ……一瞬目がギラついててクソ怖いから……。

隆良がいなくなった後、サワ先輩に隆良の裏アカを見つけた話を嬉嬉として語る拓人。でもサワ先輩には「あのふたりは全然似ていない」と一蹴される。

「お前言ってたよな。TwitterFacebookが流行って、みんな短い言葉で会話するようになったって、だからこそその中でどんな言葉が選ばれているかが大切な気がするって。俺、それは違うと思うんだ。」
簡潔に自分を表現するならそこには選ばれなかった言葉の方が圧倒的に多くて、よっぽどその人のことを表している。

その人の本当の言葉は140字の中にはきっと選んでもらえない。

「ほんの少しの言葉の向こうにいる人間そのものをもっと想像してあげろよ。俺、お前はもっと想像力がある奴だと思ってた。」


サワ先輩に怒られてシュンとする拓人が可愛い。

Twitterを開いて隆良とギンジのツイートを見比べる拓人。だけど、考えれば考えるほど2人が重なってしまう。

拓人が頭抱えて苦しんでる……かと思えばザーザー砂嵐音&局名告知みたいな映像で場面チェンジ。

↑このマッピングの中でさっきまで苦悶の表情だった拓人がゲラゲラ笑ってて心が不安定になりそうな怖さがある(笑)。局名告知ってなんか不気味だよね。

服がどこからともなく飛んできて拓人と光太郎が宅飲みしてる部屋シーンに変わる。





⑩宅飲み
ベロベロに酔っ払いながら理香と隆良の名刺をバカにする2人。
瑞月の話をしていたら、瑞月から拓人に電話がかかってくる。
5人の中で一番最初に内定が出たのは、瑞月だった。

これって、ある意味消去法で拓人にかけてきただけなんだよね。理香にはなんとなく言いづらいし、隆良とはそこまで仲良しなわけじゃないし、光太郎には留学中フラれて、帰国して1度もまともに喋ってないし、ただ消去法で、拓人に電話がかかってきただけなのに、拓人はきっと嬉しいんだよね。でも電話を光太郎に代わるんだよこいつ〜〜〜〜〜〜!!!!!!(泣)
「光太郎もそこにいるの……?」って言われて「……いるよ。……代わろうか?」って言う時の顔、めっちゃ優しくて、色々諦めてて好き。瑞月に対してだけ、拓人の顔はめちゃくちゃ穏やかで優しくなる。





やっぱり長いので記事わけます。毎回長文マンですみません(‘、3_ヽ)_「選ばれなかった言葉が本当のその人」ってサワ先輩の言葉は私には当てはまりそうにないwなんか全部書こうとしてるよね(笑)ほんと長くて申し訳ない……



*1:文庫本のキャッチコピー。好き。

*2:欅坂46の曲の振り付けをしてる方

*3:欅坂のサイマジョ、不協和音、エキセントリック辺りがぽいな〜って

*4:拓人は隆良の裏アカを発見して読んでる真っ最中だったので本人が現れて驚いた